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強度近視の方の悩みで多いのは
・眼が小さく見える
・レンズが分厚くなる
この2点だと思います。
強度近視だと、レンズの設計上ある程度厚みがでて、眼が小さくなるのは仕方ない所もあります。
それでも、少しでも和らげるためにはどうすればよいか、そして強度近視向けフレームをご説明します。
ポイント
始めに、どういうメガネが強度近視向きなのかを簡単に説明しておくと、大切なのは「フレーム選び」です。
強度近視向けフレームのポイントは3つ
- レンズ横幅を小さくする
- レンズと眼の中心を合わせる
- 頂間距離(眼とレンズの距離)を短くする
1. レンズの横幅を小さくする
近視のレンズは、中心が一番薄くて、外側に行けば行くほど厚みがでるので、レンズの横幅を小さくすることで、薄い所だけを使う事が出来るのです。
ただし、ただレンズを小さくしただけでは、メガネが小さくなり過ぎてしまい、顔に合わなくなってしまいます。
そこで、ブリッジ(鼻の部分)や智(レンズ外側)を広げる必要があるのです。
また、デルブーフ錯視といって、同じ大きさの円でも、大きい円に囲まれると小さく見え、小さい円に囲まれると大きく見える小顔効果といって大きめのレンズサイズを選ぶ方がたまにいらっしゃいますが、実は小さいレンズサイズの方が目が大きく見えやすい
2. レンズの中心と目の中心を合わせる
先ほど書いた通り、近視のレンズは外側に行けば行くほど厚みが出ますが、目の位置が鼻側だったり耳側だったり片方に極端に寄っていると、同じレンズサイズでも、レンズの中心から外側までが離れてしまうので、結局厚みが出てしまいます。
なので鼻側からも耳側からも一番短くなる、レンズの中心と眼の中心を合わせると良いです
3. 頂間距離(眼とレンズの距離)を短くする
近視のメガネは、眼とレンズの距離が離れれば離れるほど目が小さく見えます。
なので、出来る限り眼に近づけたいのですが、近づけすぎるとまつ毛などにぶつかってしまいまうので、まつ毛に触れないギリギリを攻める、このフィッティングがメガネ屋の腕の見せ所です。
フィッティングをしやすくするために、鼻はクリングスがついているものが良いです。
鼻当て一体型のものは、良い面もありますが、フィッティングが出来る範囲が狭いです。
レンズ
レンズについても説明しておくと
1. 薄型レンズ
薄型レンズにすると、確かに薄くなります。それにレンズ端の渦が少なくなるので、強度の方は薄型にした方がいいと思います。
しかし薄型レンズはアッベ数という値が低くなって、色のにじみが出るのと、同じ厚みなら薄型レンズの方が重くなるので、必要以上に薄型にする必要はないです
2. 設計
非球面レンズや両面非球面レンズなど、設計の良いレンズにすると薄くなって目も小さくなりにくくはなりますが、実は目に分からないほどほんの少しだけです。
実際にレンズを削ると1mmも違わない程度なので、嘘ではないけれども、レンズ設計で薄さと目の小ささの改善はあまり期待しすぎない方がいいです。
レンズ設計で変わるのは見え具合。良く見えるレンズにしたい場合は設計をよくすると良いです
3. 薄型加工(マイナスメッツ・ファインエッジ)
近視でレンズが厚くなった部分を、レンズの加工で薄く見せることが出来ます。
(参考)東海光学 ファインエッジ加工
https://www.tokaiopt.jp/product/fineedge/
レンズの外側はそもそもあまり見るのに使わない部分ですから、削って薄くしてしまう事が出来ます。さらに「鏡面仕上げ」と言ってツルツルにしてしまうことによって、厚みをきれいに見せることが出来るのです。
デメリットとして、側面で少し光が乱反射するのでチラチラするのと、やり過ぎるとレンズ外側の渦が増えます
3. コーティング
これは薄さ・眼の大きさにはおそらく関係ないです。
コーティングによって眼が小さくなりにくくなるとか書いてあるブログ等よく見かけますが、おそらくコーティングは関係ないと思います。
ただし、コーティングの種類によっては肌がきれいに見えるようになるものもあるので、そういうのは選んでもいいかもしれないです。
意外かもしれませんが
強度近視で大切なのはレンズ選びよりもフレーム選びなのです。
強度近視向けフレーム
Onimegne OG-7223
Onimegane OG-7223
(参考)Onimegane http://www.onimegane.jp/
・レンズ横幅:46mm
・鼻幅:22mm
・レンズ外側:約10mm(実測)
レンズ横幅小さめ、鼻幅広め、レンズ外側も広めと、強度近視向けのサイズ感
レンズサイズは小さいけれど、レンズの周りにセルのパーツが入ることによって、レンズが小さい事が目立ちにくいです。
小さい円に囲まれると目が大きく見える、デルブーフ錯視の効果がかなりあるデザイン
鼻幅とレンズ外側が広い事によって、おとなの顔にも合い、鼻もクリングスタイプで頂間距離を調整出来ます。
個性的に見えるけれども、かけると馴染みやすい事が分かります。ヨーロッパで良くあるようなデザインに似ていますが、日本人向きに設計されています。
VioRou Masaaki
VioRou Masaaki
(参考)VioRou https://sow-eyewear.co.jp/
・レンズ横幅:44mm
・鼻幅:25mm
・レンズ外側:約15mm(実測)
こちらもレンズ横幅小さめ、鼻幅・レンズ外側が広めと強度近視向けのサイズ感
六角形で個性的にみえますが、お顔にかけると肌なじみが良く、日常使いしやすいフレームです。
こちらはメタルフレームで線が細いので、厚みが出てしまいそうに感じますが、レンズや鼻幅のサイズによって、かなりの強度でも厚みが出ないようになっています。鼻もクリングスタイプで頂間距離を調整出来ます。
メタルフレームですが、線が全て丸い素材なので、柔らかい印象になります。
鼻とレンズ外側のパーツが飛び出してあるので、顔に立体感が出るのに加えて、強度近視でレンズが重くなると、メガネが前に倒れがちですが、前に倒れてもレンズに傷がつかないです。
(番外編)レンズの厚みを利用する
番外編として、「逆にレンズの厚みを利用する」というやり方もあります。
Onimegane OG-7204
(参考)Onimegane http://www.onimegane.jp/
・レンズ横幅:51mm
・鼻幅:16mm
・レンズ外側:約8mm(実測)
これはサイズ的には厚みが出ないフレームではありませんが
逆に、レンズの厚みまでをデザインにしてしまうフレームです。
レンズ側面をファセットカットといってデザインを付けてカットすることによって、宝石のような輝きをレンズで出すことが出来ます。見る角度によって光の反射が変わるので、レンズ自体をジュエリーにしてしまう方法です。
これはレンズの厚みがある程度無いと出来ない事なので、強度近視の方ならではのお洒落です。
ファセットカットは出来る店舗は多くないと思うのでご注意ください。
今回紹介したように、強度近視でもレンズが厚くならなかったり、目が小さくならなかったり、逆にレンズの厚みを生かす方法はありますので、強度近視の方でもメガネでのお洒落をあきらめずに、メガネを楽しんで頂きたいです。